近年、企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility)が、様々な場面で話題に上るようになり、経済活動を行う多くの企業や団体が、社会に与える影響に責任を持ち、消費者からの信頼に応えようと、様々な取り組みを行っています。
 建設業界の次代を担う二世会と川崎市建設青年団体交流会(四団体)では、これまで、東扇島や多摩川河川敷、東日本大震災の被災地である宮城県等において、清掃のボランティア活動を実施してきました。その精神をもう一歩推し進め、建設業界との関わりが薄い一般市民の方々に対して、私たちの存在や活動を直接的に知っていただく機会を作りたいとの思いから、平成27年 9月27日、「多摩川自然体験会『たまがわ水辺の教室 2015』」を開催することにしました。
 開催地である多摩川の河口付近には、上流から運ばれてくる砂や土砂が溜まり、「干潟」が形成されますが、引き潮の時に姿を現す干潟には、特有の生き物を数多く見ることができます。この催しの主たる対象である地元の小学生とそのご家族が、ごく身近な場所にある自然にふれ合う機会を提供したいという意図で企画し、「NPO法人 多摩川干潟ネットワーク」の皆様にご協力いただき、「大師河原干潟館」及びその周辺でのイベントを実現することができました。河口の干潟に生息する生き物や植物の観察体験会、自然の素材や廃材を利用したエコ・クラフト教室、緊急時に役立つロープ・ワーク教室、流しそうめん大会を行いました。
 開催日当日は、大型で非常に強い勢力の台風21号が日本列島に接近していたこともあり、天候が心配されましたが、雨は降らず、雲が日差しを遮ってくれたお蔭で気温が20℃前後と、絶好の観察日和となりました。午前9時の開会に合わせ、参加される小学生とご家族の方々が続々と集まってくださいました。
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 主催者を代表し、鈴木啓一郎二世会会長がまず挨拶、「多摩川干潟ネットワーク」の佐川理事長にもご挨拶を頂戴し、また、干潟における活動の注意点等を説明していただきました。急遽駆け付けてくださった、地元選出の嶋崎嘉夫川崎市議会議員からは、「いざ災害発生となった時、地元の建設業者は、市民の安全と安心を守ります。今日は、観察や活動を通じて、多摩川が持っている魅力を十分に体験してください。」との激励をいただきました。その後、参加者全員で記念撮影を行い、干潟体験を行う「ガラス浜」に向け出発しました。
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 ガラス浜に到着し干潟に入ると、早速子供たちのテンションも上がります。干潟には、カニだけでも5~6種類、ハゼやシジミ、エビやシャコといった沢山の生き物が生息しています。大きな石を持ち上げると、大きなカニが何匹も姿を現します。それを見て、子供たちは大はしゃぎ。保護者の方々も一緒になって捕まえました。
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 捕まえた生き物については、その場で「多摩川干潟ネットワーク」の佐川理事長を始め、スタッフの皆様からレクチャーしていただきました。今回見つけたカニやハゼなどの小魚、それを追うスズキやボラ、そして、その魚たちを目当てに水鳥たちも集まることなど、多摩川河口の干潟は多様な生態系を身近に観察できる貴重な場所であることが再認識できました。
 楽しい時間はあっと言う間に過ぎ、捕まえた生き物たちの多くをリリースし、ガラス浜を後にしました。
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 干潟館に戻った後は、各自昼食を取ってもらい、お待ちかねの流しそうめん大会です。子供たちはグループごとに分かれ、切り出してきた青竹で作った樋(とい)から流れてくるそうめんを我先にと頬張りました。お腹が一杯になった後は、普段は捨ててしまう牛乳パックやトイレット・ペーパーの芯、ペット・ボトルのキャップなどを材料としたエコ・クラフト教室、水害発生時など、いざという時役に立つロープ・ワーク教室、水辺の生き物についての質問コーナー等々、親子で楽しく学べる時間になりました。
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参加していただいた子供たちと保護者の方々は皆、笑顔が溢れ、会話も弾んでいました。その時、自然とのふれ合いを楽しみながら体験できる、素晴らしい催しになったと実感することができました。気が付けば、主催者である私たちも自然と笑顔になっていました。
 未来の川崎、そして、将来の建設業界を見据えたこの催しによって、私たち地元建設業者の存在や活動を、一般市民の皆様にもアピールできたと思います。市民の皆様と同じ時間を過ごし、同じ感動を共有することで、私たち自身も成長できたような気がします。
 これからも、広く市民の皆様から地域になくてはならない存在として認識されるよう、有意義な活動や催しを展開していきたい。そんな思いが、主催者として携わった全員の心にしっかり根付いたと感じる一日になりました。
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・日  時 平成27年 9月27日㈰ 9時00分~14時00分
・場  所 大師橋下流多摩川河口干潟、大師河原水防センター(大師河原干潟館)
・参加者数 川崎区内の小学生(3年生児童、他) 65人、同保護者 51人、合計39組 116人
・活動内容 多摩川河口干潟の自然観察会(干潟に生息する生き物や野鳥など)、エコ・クラフト教室、
ロープ・ワーク教室、流しそうめん大会
・主  催 川崎市建設青年会(正式名称:川崎市建設青年団体交流会、通称:四団体)
(一社)川崎建設業協会 二世会、川崎市造園建設業協同組合 二樹会、
(一社)川崎市電設工業会 二世会、川崎市管工事業協同組合 青年部会